
こんにちは。Webデザイナーの村松侑希です。
ある程度実績ができてきて、お客様も来るようになったら、次は単価のことを考えるフェーズにある方も多いと思います。
この記事では、フリーランスとして活動するWebデザイナーさんがどのように単価を上げて販売していくのか、個人で約5年お仕事をしてきた私の経験談も交えながらお伝えしようと思います。
どうして「単価」について考える必要があるのか?
まず、そもそも「なぜ単価のことを考えるのか?」というところから。
みなさんは今、ご自身のホームページ制作サービスをいくらで販売していますか?
ここがまだあやふやな方は、まずは「●万円くらいで販売する」という仮の金額でもいいので、言えるようにしておくことが第一歩かなと思います。

もちろん私も起業当初は、いくらで作れるのか、もごもごしていたので・・・自分のサービスがいくらなのか、考えるきっかけになれば幸いです。
売上目標と、現実的なスケジュールのバランス
たとえば「月に20万円の売上を作りたい」と思った時に、ホームページ制作を1件10万円で販売していたとします。そうすると2件の案件を毎月受ける必要がありますよね。
次にこれが現実的に可能かどうか、ぜひ考えてみてください。
1ページのサイトであれば1ヶ月で納品できるかもしれませんが、通常の制作では、
- ヒアリング
- 原稿・写真のやり取り
- ワイヤーフレーム作成
- デザイン
- 構築
と進んでいくので、1ヶ月で完結するとは限りません。
お客様のスケジュールによっては伸びることも多々あります。
ということは、2件受注できても制作が長引いたら翌月に持ち越されて、その月の案件と合わせて4件になることも。
そうすると、安定してかつ無理なく売り上げを立てていくには「単価を上げていく必要があるな」と感じるようになると思います。
単価を上げる前に必要な「最低限の土台」
とはいえ、いきなり単価を上げることに抵抗がある方も多いと思います。まずは、「一通り制作を自分で進められるスキルがあるか」を確認してみましょう。
制作には、デザインだけじゃなくて、ヒアリングの仕方、やり取りのツール選び(メールなのか?LINE?Chatwork?)、納品時のチェックなど、実は制作する、という技術以外のスキルもたくさん必要です。
もし実績がない場合は、
- 架空のサイトを作る
- 自分のホームページをつくる
- モニターを募集する
など、行動して経験を積むのがオススメです。
よろしければお仕事の受注については以下の記事も読んでみてください。


個人的にオススメなのが、まだご自身のホームページがない方は、自分のホームページを作るというところを優先するのが良いと思います。
やはりホームページを売っているというのに、自分のホームページを持っていない場合はお客様も選びにくいので、安心感、信頼感を持っていただく意味でも効果的ですし、何より実績になります。
「何を作るか」ではなく「何を解決できるか」


おしゃれなデザインを作れるだけでは、今や、たくさんのデザイナーさんがいる中で、他のデザイナーさんと差別化が難しい時代。
大事なのは、「このホームページで、どんな課題を解決できるか」という視点です。
「デザイン代行します」ではなくて
「集客につながるサイト設計まで考えます」
「事業の想いが伝わる設計でお客様に出会えるように整えます」など
“その先の未来”を描けるWebデザイナーになると、価値も伝わりやすくなります。
なかなか難しいことだとは思うのですが、その価値を自分の言葉で言語化し、お声掛けいただいた際やホームページ等でしっかり提示していくことが大切です。
誰に届けたい?顧客層を見直してみよう
駆け出しの頃は「誰でもいいからお願いしてほしい!」と思いがちですが、何件かこなしていくうちに「この方とのお仕事、やりやすかったな」「ちょっと大変だったな」と感じる瞬間が出ているのではないかと思います。
そこから少しずつ、自分が届けたい相手を明確にしていくことが大切です。
私も医療職からWeb業界に転身して、お恥ずかしながら、最初は相場感も全く知らず、ホームページがいくらで販売されているのか、Webデザイナーになってから、だんだんとわかっていきました。
でも今では「この価格を、納得感をもってお支払いしてくれるのはどんな方か?」を常に意識するようにしています。
「誰を助けたいのか?」と「誰がこの商品を必要としているのか?」
この2軸で考えてみると、見えてくるものがあると思います。
例えば、30万円のホームページ制作に対して、高いと感じる人もいれば、30万で作ってもらったんですよ、と安いと感じる方もいらっしゃいます。自分が販売したい。そのホームページの価格は、どのような方であれば納得して買ってもらえるかぜひ考えてみてください。
できれば、この時に机上の空論ではなく、リアルに話を聞ける人がいると自分のサービス設計のヒントになっていくと思います。
「ただ作る人」から「提案できる人」になろう
単価が高いWebデザイナーさんって、提案力がある方が多いなと感じています。
たとえば、
- 商品の見せ方や導線設計
- ブランディングの方向性
- ターゲット層の整理や、事業全体の導線設計の見直し
…など、「作る」という枠にとどまらず、「もっとこうした方が、この方のサービスは魅力的に伝わるんじゃないか?」「根本的なサービス設計をこうした方が売り上げが立つのではないか」という視点で関わることで、お客様からの信頼度も全然違ってくると思っています。
実際、私自身も最初の頃は「こういうホームページを作ってください」と言われた通りに形にする、いわゆる「受け身」のスタイルで仕事をしていました。
でも、あるお客様とのやり取りの中で、「ここって、もう少しサービス内容を整理したほうが分かりやすいかもしれません」と、提案してみたところ
「そんな視点で考えてくれると思わなかった!コンサル的な視点でのアドバイスが本当に助かります」「Webデザイナーさんのお仕事って作るだけではないのですね」とすごく感謝されたことがあります。
その経験がきっかけで、「あ、ただ“デザインする”だけじゃなくて、“事業のパートナー”として関わっていくことで、価値を感じてもらえるんだな」と実感しました。
それからは、ヒアリングのときに事業の背景や今後の展望までお聞きして、「そのためには、こんなコンテンツや導線があった方がいいですよね」といったご提案もするように。
もちろん、最初から完璧な提案なんてできなかったですし、迷いながら進んだこともたくさんありました。でも、「この人にお願いしてよかった」と思ってもらえるには、単に“作る人”ではなく、“一緒に考えてくれる人”になることがとても大切だと今は確信しています。
提案できるようになるには、経験も必要ですし、知識や視点も磨いていく必要があります。でも、自分自身がサービスに愛を持って、より良くしたいという気持ちがあれば、それはお客様にも必ず伝わります。
だからこそ、「作業代」ではなく「価値提供」の対価として、価格も自然と上げやすくなるんだと思います。
見積もり迷子にならないために「時給」で考える
最後にお伝えしたいのは、「自分の仕事を時給換算で考える」ということです。
特に、ちょっとした修正依頼や相談に対して、金額設定が難しいと悩むことってありませんか。
そんなときに「私は時給2,000円」と決めていれば、「5時間かかりそう=1万円くらい」とすぐ算出することができます。
過去私は見積もりを考えるということで、いろいろ調べたり、悩んだりして丸一日潰したことがあるので、最初からおよその目安の時給を考えていればすぐ算出できたのではないかなと思っています。
時給で考えると、働き方のバランスや案件の見直しにもつながるので、制作に慣れてきた方こそ、最低限、時給2,000円〜3,000円以上を目指してみるのがオススメです。
まとめ
「フリーランスWebデザイナーの単価アップの考え方」についてお話ししました。私が主宰するウェブデザイナー、実践講座でも単価について悩む方が多いので、ブログ記事にしてみました。
実はこの夏、Webデザイナーさん向けに3日間の集中講習のようなものを開催しようかと構想中です。
今まさに「仕事を受けていきたいけど、どう動けばいいか分からない…」という方に向けて、実践的な内容でお届けできたらと考えています。
詳細が決まり次第、メルマガでご案内予定なので、気になる方は下のリンクから登録してお待ちください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!